着物のTPO
着物の選び方・TPO
着物には、着る人の仕草・表情・言葉遣いまで、美しく変身させてしまう魔法が備わっています。
洋服にはない華やかさと上品さがあり、あらゆる年代の日本女性の魅力を引き出してくれるアイテムです。
小紋・紬
小紋や紬は、主にカジュアルな外出着とされ、冠婚葬祭やフォーマルな場所での着用はお避けください。小紋は、型や手描きで染められた着物で、日本の伝統文化や季節感を気軽に楽しめます。
紬は、主に先染めの糸で織られた着物で、大島紬や結城紬など、全国に紬の産地があります。それぞれが違った個性を持ち、独特の光沢感や風合いを楽しめます。
街着・デート・旅行・観劇・お稽古・同窓会・十三参り(袴)など
色無地 / 江戸小紋
色無地は、紋付きが礼装、紋無しがジュアルな装いです。帯の格の上げ下げで様々なシチュエーションに着用でき、さらに主役を引き立ててくれます。また、帯のコーディネートで印象がガラリと変わるため着物通が好む着物です。
記念式典・新年会・お宮詣り・七五三・入学・卒業式(母)・挨拶回り・音楽鑑賞・観劇・お茶会・お稽古・女子会・同窓会・食事会・お通夜・法事
付下げ
付下げは、留袖や訪問着と比べて、流れるような絵羽模様がなく、上品で控えめな略礼装です。帯の格を上げ下げすることで、落ち着いた場所から華やかな場所まで着用できる万能選手です。
記念式典・パーティー・祝賀会・新年会・七五三・入学・卒業式(母)・ご挨拶回り・音楽鑑賞・観劇・お茶会・女子会・同窓会・お食事会
訪問着
訪問着は、一枚の着物をキャンバスに見立てて描かれた芸術作品です。結婚式やパーティなどのお祝い事に最適。格の高い吉祥や有職の文様が描かれているため、場に華やかさと品格が生まれます。
結婚式参列(親族・同僚・友人)・記念式典・パーティー・授賞式・祝賀会・お茶会など
振袖
振袖とは、未婚女性の礼装として最も格の高い着物で、格調が高く華やかな文様が描かれています。振袖姿は写真にずっと残ることから、奇抜なデザインよりも落ち着いた古典柄がおすすめです。
成人式・結婚式の参列(未婚女性の親族や友人)・お見合い・結納(新婦)・記念式典・パーティー・祝賀会・新年会・初詣・初釜・謝恩会・卒業式
色留袖
色と留袖は、黒留袖に次いで格が高く、結婚式では主に親族の装いです。親族は黒留袖でも大丈夫ですが、母や祖母との見た目を区別するために、親族は色留袖がおすすめです。
結婚式(親族・主賓)・格の高いパーティ・記念式典・授賞式・お茶会など
黒留袖
黒留袖は、五つ紋を付けた黒染の着物に裾模様が描かれた第一礼装です。友禅染や刺繍、金彩加工などが素晴らしいものばかり。参列者や相手方親族に最大限の礼を持って着用しましょう。
結婚式/披露宴(母・祖母・親族・仲人)
喪服(黒紋付)
葬式や告別式における全ての参列者の第一礼装です。お世話になった故人を偲び、感謝の気持ちを込めて喪服を着用します。お葬式が簡略化された今でも、喪主や遺族は着用したいものです。
葬儀式・告別式・お別れ会・お通夜
帯の種類とTPO
TYPES OBI & TPO
「着物一枚に帯三本」とよく言われますが、それは帯によって礼装の格の高さを上げ下げ調整できたり、
そのコーディネートで相手に与える印象をガラリと変えられるからです。
帯の奥深い魅力をお楽しみください。
袋帯
(フォーマル~カジュアル)
帯が長く、喜びを重ねる二重太鼓を結べるため格の高い礼装です。帯の製法や文様など多種多様なバリエーションがあり、重厚感ある織りはフォーマル、軽めな染めはカジュアルなど、袋帯それぞれに最適な着物があります。詳しくはプロにご相談ください。
[着物との相性]
黒留袖◎・色留袖◎・振袖◎・訪問着◎・付下げ○・色無地○・紬○・小紋○
名古屋帯
(セミフォーマル~カジュアル)
結婚式や記念式典など儀礼性の高いシーンでの礼装にはふさわしくありませんが、七五三や卒業式などの略礼装、小紋や紬の街着に相性抜群です。しかし、染めや織りの製法、帯地の幅、文様によりTPOや用途が変わります。
[着物との相性]
黒留袖×・色留袖×・振袖×・訪問着△・付下げ◎・色無地◎・紬◎・小紋◎
半幅帯
(カジュアル)
初心者でも簡単に結べて、帯幅が細く締めつけ感もないため街着に最適な帯です。結婚式や七五三など畏まった場にはNGですが、普段のファッションとして、柄選びも帯結びも自由にお楽しみいただける帯です。
[着物との相性]
黒留袖×・色留袖×・振袖×・訪問着×・付下げ×・色無地△・紬○・小紋◎・浴衣◎
小物コーディネート
ACCESSORY COORDINATION
カジュアルは基本的に自由な組み合わせでOK。
しかし、礼装は大切な人に想いを伝える着物ですので、TPOのルールから大きく外れると、
場の雰囲気を壊してしまうため避けたほうがいいでしょう。
長襦袢
第一礼装には白襦袢が基本とし、準礼装は淡い色襦袢でもよいでしょう。礼装の格が高いほど白、カジュアルなほど色や柄が濃いとお考えください。
草履バッグ
草履はとくに足のサイズや形に合わせたものがよいでしょう。甲高や扁平足など、足にお悩みのある方はご相談ください。
帯〆・帯揚・衿
金銀、あるいは白に近いほど格が高いとされ、礼装に調和してくれます。小物の素材や製法により、礼装に向き不向きがあります。